厨房のガスコンロにつながる黄色いガス管の継ぎ手を、ヘルメット姿の作業者がレンチで締める場面。
イメージ図(AIで生成)
発注・費用

業務用ガス配管の工事|都市ガスとLPガスで違う依頼先と、確認する資格

目次
  1. ガス種と依頼先を確認する
  2. 湯沸器などを設置するとき(都市ガス・LPガス共通)
  3. 依頼先に確認することのチェックリスト
  4. 見積もりで確認すること
  5. 関連する記事
  6. 地域の管工事会社を探す

店舗の厨房や工場のガス配管の工事は、使っているのが都市ガスか、LPガス(プロパンガス)かで、頼む先と、作業する人に求められる資格が変わります(2026年10月時点)。

  • 都市ガス: 敷地内の配管(内管)も、ガス事業法の決まりで管理される設備です。多くのガス事業者は、指定工事店や、施工範囲が限られる簡易内管施工登録店などが内管の工事を行う仕組みにしています。地域のガス導管事業者の工事窓口を確認してください。
  • LPガス: 配管などの工事のうち、法律で定められた作業は、液化石油ガス設備士でなければ行えません。ガスを供給しているLPガスの販売事業者とも調整が必要です。
  • 共通: 湯沸器・ふろがまなど、法律で定められた「特定ガス消費機器」の設置・変更の工事は、ガス消費機器設置工事監督者などの資格を持つ人が監督します。

管工事業の建設業許可を持っていることだけでは、これらの条件を満たすかどうかは分かりません。この記事では、発注者が確認することを順に説明します。

ガス種と依頼先を確認する

相談先を決めるまでの順序は、次のとおりです。

  1. 請求書・供給契約でガス種と供給元を確認する
  2. 都市ガスなら地域の導管事業者、LPガスなら現在の販売事業者に、工事内容と希望時期を伝える
  3. 実際に施工する会社の対応範囲・資格と、供給元との調整担当を確認する

内装・設備工事をまとめて発注する場合も、ガス配管の施工会社を確認してから進めます。

確かめる方法 都市ガス LPガス
ガスの請求書・検針票 都市ガスの小売事業者・ガス種の表示(導管事業者とは別の場合がある) LPガスの販売事業者の名前
敷地内のボンベ 通常はない ボンベや貯槽がある場合が多い(集中供給では敷地内にない場合もある)
道路から来る配管 道路の下のガス管から引き込まれている ボンベ・貯槽から配管されている

外観だけで判断せず、請求書や供給契約でガス種と供給元を確認してください。同じ地域でも、建物によって違います。工場や郊外の店舗では、LPガスを使っていることも多くあります。

都市ガスの配管工事

内管とは

仙台市ガス局の内管工事の手引きでは、道路に沿う本支管から分岐し、土地と道路の境界までが供給管、その境界からガス栓までが内管です。内管には、屋外の敷地内配管も含まれます。敷地内・建物内の配管も、ガス事業法の技術上の基準に合っていなければならない設備で、ガス事業者が基準への適合を管理しています。

頼む先

内管工事を施工できる会社と範囲は、地域のガス導管事業者の工事約款(工事契約の共通条件)や規程で確認します。たとえば仙台市ガス局では、仙台市ガス工事人としての公認、または簡易内管施工登録店としての認定を必要としています。簡易内管施工登録店には施工範囲の制限があるため、大規模な店舗・工場の工事まで一律に頼めるわけではありません。

  • 厨房機器の増設・移設などでは、地域のガス導管事業者の工事窓口で、工事内容に対応できる会社を確認します。契約している小売事業者と導管事業者が異なる場合があります。
  • 内装会社や設備会社が工事をまとめる場合も、ガス配管を実際に施工する会社と、必要な指定・登録を確認してください。
  • ガスメーターの能力が足りなくなる場合は、メーターの交換や、引き込み管の工事が要ることがあります。

LPガスの配管工事

以下は、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(以下、液石法)の「一般消費者等」に供給するLPガス設備の説明です。「一般消費者等」には、飲食店などの業務用利用者も含まれます。工場の工業用原料などでは、供給・使用形態により適用法令が変わるため、販売事業者と行政窓口に確認してください。

液化石油ガス設備士

液石法では、特別な知識と技能が必要な作業は、液化石油ガス設備士だけが行えると定めています。対象の作業は経済産業省令で決まっています。配管の接続や気密試験(配管からガスが漏れないかを確かめる試験)など、ガスの漏れに直結する作業がこれにあたります。

液化石油ガス設備士は、作業をするとき、設備が技術上の基準に合うように作業する義務を負います。

工事事業者の届出

配管などの工事のうち、液化石油ガス設備士の作業を伴うものとして省令で定める工事(特定液化石油ガス設備工事)の事業を行う会社は、事業所ごとに、事業を始めた日から30日以内に、都道府県知事に届け出ることになっています(液石法第38条の10)。

LPガスの販売事業者との調整

一般消費者等向けにメーターで使用量を計るLPガスの体積販売では、ボンベや貯槽からガスメーターの出口までの供給設備と、その先の消費設備(配管や燃焼機器など)に分かれ、供給設備の維持管理は販売事業者、消費設備の維持管理は使用者が担います。販売事業者や、保安業務を担う保安機関は、消費設備の調査も行います。配管を変える工事は、ガスを供給している販売事業者に事前に連絡し、工事後の点検の段取りを決めてください。

湯沸器などを設置するとき(都市ガス・LPガス共通)

特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律(特監法)では、ガスふろがま・ガス瞬間湯沸器など、設置や変更の工事の欠陥でガスの事故が起きやすい機器を、政令で「特定ガス消費機器」と定めています。

  • その設置・変更の工事(軽微なものを除く)を事業として行う会社は、ガス消費機器設置工事監督者の資格を持つ人に実地に監督させるか、資格を持つ人が自ら工事を行います。
  • 監督者の資格は、講習の修了者、液化石油ガス設備士、またはこれらと同等以上として経済産業大臣の認定を受けた人です。
  • 監督や工事を行う人は、資格証(液化石油ガス設備士は免状)を携帯します。

主に屋内の排気筒等を伴う一定のガスふろがま・湯沸器と、その排気設備の工事に関わります。すべての給湯器が対象ではなく、屋外式か屋内式か、ガス消費量、給排気の方式などで変わります。工事後は法定ラベルの貼付も確認してください。

依頼先に確認することのチェックリスト

# 確認すること 都市ガス LPガス
1 ガス事業者・販売事業者への連絡と、工事の窓口 導管事業者の指定・登録と施工範囲が合うか 販売事業者と調整するか
2 作業する人の資格 ガス事業者の定める資格・講習 液化石油ガス設備士
3 工事事業者の届出 — 特定液化石油ガス設備工事事業の届出
4 湯沸器などの設置 ガス消費機器設置工事監督者などの監督 同左
5 建設業許可 工事の金額が大きい場合。ガス管の配管工事は管工事業の例示に含まれる 同左
6 気密試験・漏えい検査の方法と記録 工事後の検査の記録を受け取る 同左
7 営業を止める時間 ガスを止める時間と、再開の立ち会い 同左
8 換気・排気 厨房の換気設備の能力が、機器の増設に足りるか 同左

厨房の機器を増やすと、必要な換気の量も増えます。換気・排気のダクトの工事は、業務用の換気設備・ダクト工事で説明しています。

見積もりで確認すること

項目 確認する点
ガス事業者・販売事業者の工事費 引き込み管・メーターの工事が別請求になるか
配管の材料と経路 露出か、天井裏・床下か。既存の配管を使うか
試験・検査 気密試験・漏えい検査の費用と、記録の提出
機器の接続 厨房機器・給湯器の接続が含まれるか
内装の復旧 天井・床を開けた後の復旧が、誰の工事範囲か
夜間・休日の作業 営業中にガスを止められない場合

金額は、配管の長さ・経路・ガスの種類・作業時間帯で大きく変わり、都市ガスではガス事業者の規程で決まる部分もあります。この記事では、根拠を示せる目安がないため金額を書いていません。

相談するときに伝える項目のひな形

対象施設・所在地:[記入]
ガス種・供給元:[都市ガス/LPガス、事業者名を記入]
工事内容:[機器の増設・移設、配管の変更などを記入]
接続機器:[型番・台数・ガス消費量を記入。不明な項目は現地確認を依頼]
希望時期・ガスを止められる時間帯:[記入]
確認したいこと:施工できる範囲、担当者の資格、供給元との調整、工事後の試験と記録の提出

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この記事では、業務用のガス配管の依頼先と資格を扱いました。次のテーマは、それぞれの記事で説明しています。

地域の管工事会社を探す

ガス配管の工事の候補は、地域の管工事会社の一覧から探せます。一覧の許可情報だけでは、ガス事業者の指定や、液化石油ガス設備士の有無は分かりません。候補の会社に、この記事のチェックリストで確認してください。都市ガスは地域のガス導管事業者の工事窓口、LPガスは現在の販売事業者にも、依頼先と施工範囲を確認します。

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出典・参考

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