給水装置工事主任技術者は、水道法にもとづく国家資格です。給水装置とは、水道の配水管から分かれた給水管と、それに直結する蛇口などの給水用具を指します。水道事業者(水道局など)から指定を受けた会社を「指定給水装置工事事業者」といいます。指定事業者は、事業所ごとに、この資格を持つ人を主任技術者として選任する必要があります(水道法第25条の4)。主任技術者は、給水装置工事の技術上の管理、作業する人の指導監督、給水管・給水用具が国の基準に合っているかの確認、水道事業者との連絡調整を担います。発注者が確かめたいのは、会社がその地域の水道事業者の指定を受けているかと、その工事を担当する主任技術者は誰かの2点です(2026年10月時点の法令にもとづく)。
給水装置工事主任技術者とは
資格の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠 | 水道法 第25条の4〜第25条の6 |
| 免状 | 給水装置工事主任技術者試験に合格した人に、国土交通大臣と環境大臣が交付(交付等の事務は国土交通大臣) |
| 更新 | 資格の更新はない(指定試験機関のFAQで確認) |
水道行政は2024年4月に厚生労働省から国土交通省・環境省へ移りました。そのため、古い資料では「厚生労働大臣が交付」と書かれていることがあります。移管前の厚生労働大臣名の免状も、そのまま使用できます。
主任技術者の職務
水道法第25条の4第3項と施行規則第23条は、主任技術者の職務を次のように定めています。
- 給水装置工事に関する技術上の管理
- 給水装置工事に従事する者の技術上の指導監督
- 給水装置の構造・材質が基準に適合していることの確認
- 水道事業者との連絡・調整(配水管の位置の確認、配水管からの分岐工事の工法・工期の調整、工事完了の連絡)
指定給水装置工事事業者は、軽微な変更を除き、工事ごとに担当の主任技術者を指名します。担当者には、施主・場所・完了日・使用材料・基準適合の確認結果などを記録させます。竣工図(完成した配管などの状態を示す図面)も記録に含みます。記録は作成の日から3年間保存します(規則第36条)。
指定給水装置工事事業者との関係
「資格」と「指定」は別のものです。混同しやすいので、表で整理します。
| 給水装置工事主任技術者 | 指定給水装置工事事業者 | |
|---|---|---|
| 対象 | 人(個人の国家資格) | 会社・事業者 |
| 出すところ | 国(国土交通大臣・環境大臣) | 各地の水道事業者 |
| 範囲 | 全国で通用する | 指定を受けた水道事業者の給水区域だけ |
| 期限 | 定めなし | 5年ごとに更新 |
| 関係 | 指定を受けるには、事業所ごとに主任技術者となる人を置くことが条件 | 指定後2週間以内に主任技術者を選任し、選任後は遅滞なく水道事業者に届け出る |
資格者が在籍しているだけでは、会社が工事場所の水道事業者の指定を受けているとは限りません。資格と指定は分けて確認します。指定の対象工事・更新手続き・公式名簿での調べ方は指定給水装置工事事業者とはで扱います。
建設業法での扱い(管工事業の技術者として)
建設業法の主任技術者は、現場の施工を技術面で管理する人です。営業所技術者は、営業所で請負契約を技術面から支える人を指します。給水装置工事主任技術者とは、制度上の役割が異なります。
給水装置工事主任技術者の免状は、建設業法の管工事業の技術者要件にも使えます。国土交通省の「監理技術者/主任技術者となり得る国家資格等一覧」(2025年12月18日版)と制度改正資料をもとに、資格と配置の条件を分けて整理します。
| 区分 | 役割・条件 |
|---|---|
| 資格要件に使える役割 | 管工事業の主任技術者、一般建設業の営業所技術者 |
| 資格要件に必要な実務経験 | 免状交付後、管工事に関して1年以上の実務経験が必要 |
| 実際の配置で確認する追加条件 | 雇用関係や専任(原則として、その現場の職務に専ら従事すること)などの要件を別途確認 |
| この免状と実務経験だけでは満たせない役割 | 管工事業の監理技術者、特定建設業の特定営業所技術者 |
施工管理技士との違いは管工事施工管理技士の見方、雇用関係や専任など現場への配置条件は主任技術者と監理技術者の違いを参照してください。
依頼先で確かめること(チェックリスト)
給水の工事を頼むときは、見積もりの段階で次の点を確かめておくと、手続きの漏れを防げます。
- 会社(事業所)が、工事場所の水道事業者の指定給水装置工事事業者の名簿に載っているか
- その工事を担当する給水装置工事主任技術者の氏名
- 水道事業者への工事の申込み・設計審査・完了の連絡・検査の立会いを、依頼先が行うか
- 配水管から分岐する工事がある場合、分岐の作業を担う技能者と、水道事業者の承認を受けた工法で行うか
- 使用する給水管・給水用具が、構造・材質の基準に適合している製品か(確認の方法)
- 工事後に、竣工図と使用材料の記録の写しをもらえるか
主任技術者の免状の写しを求める場合は、氏名・生年月日など個人情報が含まれるため、利用目的を伝え、必要な範囲だけを受け取り、保管方法を決めておきます。
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この記事は、資格者の役割と発注時の確認を扱います。指定制度やほかの資格・配置条件は、次の記事を参照してください。
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依頼先を探すときは
給水装置の工事は、水道事業者の公式の指定業者名簿で候補を確かめてください。空調や建物内の配管など、管工事全般の会社は、地域ごとの一覧でも探せます。



