マンションの外観と、共用廊下の照明を脚立でヘルメット姿の作業者が交換する様子。
イメージ図(AIで生成)
発注・費用

マンション共用部の電気工事|LED化や設備更新を管理組合で進める手順

目次
  1. 共用部かどうかと工事の目的を確認する
  2. 管理規約・予算・決議の条件を確かめる
  3. LED化は照明の種類と使用条件をそろえる
  4. 同じ工事範囲で見積もりを比較する
  5. 居住者への周知と引渡しを計画する
  6. 関連する記事
  7. 地域の会社を探す

マンション共用部の電気工事は、管理組合の管理範囲、工事の必要性、費用の支出方法と承認手順を整理してから発注します。共用廊下のLED化だけでなく、分電盤(電気を各回路へ分ける盤)やポンプ電源も、停止したときの影響を確認します。受変電設備(受け取った電気を施設で使う電圧に変える設備)も同様です。管理会社と施工会社に任せる範囲を決め、理事会や総会で判断できる資料をそろえましょう。

制度・費用に関する説明は2026年10月時点です。工事条件をそろえた金額の根拠は確認できていないため、費用は内訳と比較条件を示します。

共用部かどうかと工事の目的を確認する

最初に、管理規約、設備図面、過去の工事・点検記録を集めます。共用廊下、階段、エントランス、駐車場など、場所ごとに設備を一覧にします。各住戸に関係する設備では、位置だけで管理区分を決めず、規約や図面で管理責任の境界を確認します。

工事の対象 理事会で先に整理すること
共用照明 不点灯、明るさ、まぶしさ、器具の状態、点灯時間
分電盤・配線 点検の指摘、接続先、停止する範囲、図面との一致
ポンプ・機械設備の電源 給水・排水、駐車設備などの運用への影響
共用設備の増設 必要性、設置場所、電気容量、費用負担と運用

緊急の故障復旧と計画的な更新は分けて考えます。まず応急処置が必要かを点検担当者に確認し、全面更新の提案は根拠と代替案を整理してから検討します。

管理組合内の検討は、現状整理、仕様案の作成、見積もり比較、必要な承認、契約・周知、施工・引渡しの順に進めます。承認資料には「工事の目的/対象と対象外/採用する仕様/総費用と支払いに使う資金/工事中の影響/選定理由/承認後の契約担当」をまとめると、理事の交代時にも経緯を引き継げます。

管理規約・予算・決議の条件を確かめる

国土交通省のマンション標準管理規約は、各マンションの規約を作成・変更するためのひな形です。標準管理規約がそのまま自分の管理組合に適用されるわけではありません。国土交通省のマンション管理情報

単棟型の標準管理規約では、共用部分等の管理の責任と負担、管理費と修繕積立金の使途、予算や長期修繕計画などの総会議決事項を定めています。工事内容と財源を整理したうえで、自分の管理規約と法令上の手続きを照合します。標準管理規約・同コメント

2026年4月1日以降に招集手続きを始めた総会には、改正区分所有法の集会のルールが適用されます。同日以降、改正法に抵触する管理規約の規定は効力を失うため、古い規約だけで手続きを決めないようにします。国土交通省の改正法説明資料(経過措置)

「照明交換なら理事会だけでよい」「設備更新はすべて同じ多数決でよい」と一律には判断しません。変更の内容、既存の予算・事業計画、緊急性などを踏まえ、必要な決議や通知の条件を管理会社やマンション管理士等に確認します。

LED化は照明の種類と使用条件をそろえる

照明の見積もりは、器具の台数と位置を図面に記入して依頼します。共用廊下や屋外では、明るさに加え、まぶしさ、防雨・防湿の仕様、清掃や交換のしやすさを確認します。人感センサー等を使う提案では、点灯時間や検知範囲が生活に合うかも見ます。

一般照明と、非常用照明・誘導灯は区別します。非常用照明は停電時に避難に必要な明るさを確保する照明です。誘導灯は、避難口や避難方向を示す灯りです。国土交通省の保全資料は、非常用照明と誘導灯の種類・役割を分けて解説しています。既存器具の種類を施工会社に確認してもらい、防災上必要な機能を維持する仕様と試験を見積もりに含めます。非常用照明・誘導灯の保全資料

電気代の削減提案は、現状と更新後の消費電力、点灯時間、料金の計算条件を提示してもらいます。工事費を回収する期間だけでなく、器具の状態、故障時の交換方法、保守費も合わせて比較しましょう。

同じ工事範囲で見積もりを比較する

見積もりを頼む各社に、同じ器具一覧、図面、作業時間、復旧条件を渡します。

見積もり項目 比較時に確認すること
調査・設計 現況調査、回路調査、照明計画の範囲
機器・材料 型式、台数、性能、代替品を使う条件
施工・撤去 配線、取付け、撤去、廃棄物の処理
仮設・建築 足場や高所作業、周囲の保護(養生)、開口部の復旧
停止・試験 停電調整、機能試験、立会い、完成記録

管理会社が調整する費用と、工事会社の費用が分かれるなら、組合が支払う総額で整理します。候補会社には共用部の施工実績と居住中の工事体制を確認し、価格の差が仕様や範囲の差ではないかを読み取ります。

居住者への周知と引渡しを計画する

工程表には、停電だけでなく、給水ポンプ、オートロック、エレベーター、駐車設備等への影響を関係業者と確認して記入します。一部の共用回路の工事でも、つながる設備を実際に調べてから周知しましょう。

周知文には、次を記載すると問い合わせを減らしやすくなります。

  • 作業日時、予備日、工事の目的
  • 使えない設備、通行を制限する場所、代替経路
  • 騒音・搬入等の予定と、居住者に依頼すること
  • 延長・中止を知らせる方法と、当日の連絡先

引渡しは、理事会側の担当者と管理会社が立ち会い、機器の動作、夜間の見え方、図面と施工範囲の一致を確認します。防災照明の非常点灯の確認は、充電条件など取扱説明書に従った試験計画を出してもらいます。

完成図、試験記録、保証書、取扱説明書、不具合時の連絡先を組合として保管します。次の理事会にも引き継げるよう、採用した仕様と選定理由、残した設備の状態も記録しておきましょう。

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一般的なLED化の工事方法、蛍光灯の規制、資格・許可の確認は、次の記事で扱います。

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出典・参考

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