封筒を差し出す手と受け取る手があり、ハートと吹き出しで穏やかに断る様子を表している。
イメージ図(AIで生成)
発注・費用

相見積もりの断り方|工事会社に角が立たない文例と、伝えるタイミング

目次
  1. 文例を使う前に、契約や有料調査の合意を確認する
  2. 伝えるタイミングと方法
  3. 理由の伝え方
  4. 文例
  5. 断るときのチェックリスト
  6. 関連する記事
  7. 次の見積もりの依頼先を探す

相見積もり(複数の会社に同じ条件で見積もりを頼むこと)で選ばなかった会社には、結果が決まったら早めに連絡します。 伝えるのは、見積もりへのお礼、今回は見送るという結果、差し支えない範囲の理由です。今後も相談したい場合は、その意向を添えます。理由は短くてかまいません。連絡がないままだと、相手が予定を立てにくくなり、関係を損ねるおそれがあります。工事会社は、見積もりのために現地調査や図面の拾い出し(数量の計算)に時間を使っています。結果を伝えることは、その手間への礼儀です。

この記事では、法人の設備担当者・工事担当者が、そのまま使える断りの文例と、伝え方の注意点をまとめます。契約・有料調査の合意を確認したら、基本のメール文例へ進んでください。社名・工事名を差し替え、実際に行った調査や今後の意向に合わない一文は削除します。

文例を使う前に、契約や有料調査の合意を確認する

以下の文例は、まだ工事を発注していない段階の選定結果の連絡を想定しています。契約書への署名が済んでいなくても、やり取りの内容によって契約が成立している場合があります。すでに発注を承諾した、資材の手配や着工を依頼した、という場合は、単なる見積もりの辞退として扱わず、契約内容と中止・変更の条件を確認してください。

国土交通省の「請負契約について」では、当事者の合意による契約の成立と、建設業法上の契約書面の交付義務は別と整理されています。書面の交付は契約の成立要件ではありませんが、建設工事の請負契約では、法定の重要事項を書面にして相互に交付する必要があります。

見積もり・現地調査・設計が有料という合意がある場合も、工事を見送ればその費用が不要になるとは限りません。今回の連絡とあわせて、精算する項目を確認します(2026年10月時点)。

断りの連絡が大切な理由

  • 工事会社は、結果を待って人と日程を空けている: 受注できるかどうかで、職人の手配や、ほかの仕事の受け方が変わります。
  • 地域の工事会社とは、また付き合うことが多い: 電気工事・設備工事は、修理や緊急の対応で同じ会社に頼むことがあります。今回は見送っても、次に頼みやすい関係を残しておくと、自社の助けになります。
  • 社内の記録になる: いつ、誰に、どんな理由で見送ったかを残しておくと、次に業者を選ぶときの参考になります。

伝えるタイミングと方法

場面 タイミング 方法
発注先が決まったとき 発注先と契約の見通しが立ったら、できるだけ早く(法定期限ではなく実務上の目安) メールが基本。見積もりの依頼をメールでした場合は、同じ方法で
選定が延びるとき 見積依頼書で伝えた結果の連絡日を過ぎそうなとき 「選定が延びている」ことと、新しい連絡の目安を伝える
計画そのものが中止・延期になったとき 決まった時点で 選定の結果ではないことを明記する
現地調査や詳しい提案をしてもらったとき 同上 メールに加えて、担当者から電話で一言伝えると丁寧

見積依頼書の段階で「選定の結果は〇月〇日頃に全社にご連絡します」と書いておくと、連絡を忘れにくくなります。見積依頼書の書き方は「工事の見積依頼書の書き方」をご覧ください。

理由の伝え方

理由は、相手が次の参考にできて、かつ、ほかの会社の情報を漏らさない範囲で伝えます。

伝えてよい理由の例 避けたほうがよい伝え方
「今回は価格を重視して選定しました」 「他社は〇〇円でした」(他社の金額を伝える)
「希望の工期に対応できる会社を選定しました」 「他社はもっと早くやってくれると言っています」
「社内の総合的な評価の結果です」 担当者個人への批判
「既存の設備を施工した会社に依頼することにしました」 事実と違う理由(「予算がなくなった」など)

他社の見積もりの金額や内容は、その会社の営業上の情報です。断るときに伝えると、信頼を損ねるだけでなく、トラブルの元になります。

文例

基本のメール文例

件名: 〇〇工事のお見積もりの結果について

〇〇株式会社
〇〇様

いつもお世話になっております。〇〇株式会社の〇〇です。

先日は、〇〇工事のお見積もりをご提出いただき、
また現地調査にもお越しいただき、誠にありがとうございました。

社内で検討いたしました結果、誠に恐縮ながら、
今回は他社に発注することとなりました。
ご提案いただいた内容は、工事の進め方を考えるうえで大変参考になりました。

お時間を割いていただいたにもかかわらず、ご期待に添えず申し訳ございません。
また別の工事の際には、ご相談させていただけますと幸いです。

今後ともよろしくお願いいたします。

価格が理由のとき

(前略)
社内で検討いたしました結果、今回は価格の面で、
他社に発注することとなりました。
(後略)

「金額の差」をくわしく聞かれた場合も、他社の金額は伝えず、「価格の比較の結果です」とだけ答えます。

計画が延期・中止になったとき

件名: 〇〇工事のお見積もりについて(計画延期のご連絡)

(前略)
先日ご提出いただいた〇〇工事のお見積もりについて、
社内の事情により、工事の計画そのものを延期することとなりました。
見積もりの内容の評価によるものではございません。

再開の時期が決まりましたら、改めてご相談させていただくことがございます。
その際は、あらためてお見積もりをお願いすることになるかと存じます。
(後略)

電話で伝えるとき(要点)

  1. 名乗って、見積もりのお礼を言う
  2. 「今回は他社にお願いすることになりました」と結論を先に言う
  3. 理由は一言(価格・工期・総合評価など)
  4. 今後も相談したい場合は、その意向を伝える
  5. 電話のあとに、同じ内容をメールでも送る(記録のため)

選定が延びているとき

件名: 〇〇工事のお見積もりの選定について(ご連絡)

(前略)
〇月〇日頃にご連絡するとお伝えしておりましたが、
社内の確認に時間がかかっており、結果のご連絡は〇月〇日頃になる見込みです。
お待たせして申し訳ございません。
(後略)

断るときのチェックリスト

  • 見積もりを頼んだすべての会社に、結果を伝えた(選んだ会社にも、正式な依頼の連絡をした)
  • お礼と結果を明記した。理由は差し支えない範囲にとどめ、次の機会への一言は実際の意向に合っている
  • 他社の金額・内容を書いていない
  • 計画の延期・中止の場合は、評価の結果ではないことを書いた
  • 預かった資料(図面・写真など)の返却や削除が必要か確認した
  • いつ、誰に、どんな理由で見送ったかを社内の記録に残した

選んだ会社への連絡も記録する

見送りの通知日と、選んだ会社への連絡日を社内に残します。見積もりの比較や発注前の準備は、次の関連記事で確認してください。

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出典・参考

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