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電気工事・設備工事の市場規模と動向|国交省の公表データで見る

目次
  1. 使うデータと、比べられる範囲
  2. 建設業全体と設備工事業の動き
  3. 元請工事の発注者別の動き
  4. 建設投資の見通し(2026年度)
  5. 数字から言えること・言えないこと
  6. 発注者・元請けにとっての意味
  7. 関連する記事
  8. 地域の会社を探す

国の公表データでは、電気工事業と管工事業で異なる動きが見られます。指標となる完成工事高は、その年度に完成した工事の金額です。国土交通省「建設工事施工統計調査」の**2024年度実績は、電気工事業が約11.96兆円(前年度比9.2%減)、管工事業が約10.32兆円(同2.8%増)**でした。建設業全体は約154.50兆円(同4.0%増)です。2023年度の増加だけを見て、設備工事が一様に伸び続けているとは判断できません。

この記事は、2026年10月時点で確認した公表資料を使います。施工統計は2026年4月14日公表の2024年度実績、建設投資は2026年8月31日公表の2026年度見通しを参照しました。実績と見通し、工事金額と工事量を分けて読みます。

使うデータと、比べられる範囲

データ 公表元・対象 わかること この記事で比べる範囲
建設工事施工統計調査 国土交通省。2024年度実績 許可業者の完成工事高、元請・下請、発注者別など 業種別の2023年度と2024年度
建設投資見通し 国土交通省。2026年度版 国内の建設活動を、各年度に施工した分の金額で推計した投資額 2025年度の見込みと2026年度の見通し

資料を更新するときは、対象年度と公表日を別々に記録します。同じ年度でも、実績・見込み・見通しを取り違えないようにします。

読むときの注意

  • 「電気工事業」「管工事業」は会社の分類です。 国内の年間完成工事高が最も多い業種で会社を分けます。電気工事業の会社が行ったほかの工事も含み、総合工事業などに分類された会社が施工した電気工事は、この業種の金額には入りません。電気工事だけの市場規模とは異なります。
  • 完成工事高は名目値・税込みです。 名目値とは、物価の変化を調整していない金額です。 資材や人件費の変化も金額に反映されるため、工事量の増減を直接示すものではありません。
  • 許可業者を対象とする標本調査です。 約48万業者から約11万業者を抽出し、全国の値を推計しています。許可を必要としない工事だけを営む事業者も含めた、すべての施工者の売上集計ではありません。
  • 元請と下請の重複があります。 完成工事高の総額には、同じ工事が元請と下請の両方で数えられる部分があります。建設投資額と単純には比較できません。

建設業全体と設備工事業の動き

施工統計の第2表から、建設業者全体(専業・兼業を含む)の値を整理しました。金額は兆円単位の概数です。前年度比と元請比率は公表値を使っています。

業種 2023年度 2024年度 前年度比(2024年度) 元請比率(2024年度)
建設業全体 約148.55兆円 約154.50兆円 4.0%増 58.7%
設備工事業 計 約37.19兆円 約38.05兆円 2.3%増 51.7%
電気工事業 約13.18兆円 約11.96兆円 9.2%減 48.7%
管工事業 約10.03兆円 約10.32兆円 2.8%増 43.3%

設備工事業全体が増えていても、電気工事業と管工事業が同じ方向に動くとは限りません。また、設備工事業の計には電気通信工事業、機械器具設置工事業なども含みます。電気と管の2業種だけを足した値ではありません。

元請比率は、完成工事高のうち発注者から直接請け負った工事などの元請工事が占める割合です。電気工事業では約半分、管工事業では約4割で、残りがほかの建設業者からの下請工事です。「下請け」はゼネコンからの一次下請けだけを意味せず、二次下請けなども含みます。

元請工事の発注者別の動き

施工統計の第4表で、2024年度の元請完成工事高を民間・公共に分けると次のとおりです。金額は兆円単位の概数です。

業種 民間 前年度比 公共 前年度比
電気工事業 約4.59兆円 10.6%減 約1.24兆円 17.5%減
管工事業 約3.54兆円 4.6%増 約0.93兆円 17.7%増

2024年度の元請完成工事高は、電気工事業では民間・公共ともに減少しました。管工事業では、民間・公共ともに増加しました。ただし、この表から個別の工事会社の受注余力や、地域別・設備別の需要までは分かりません。発注先の繁忙状況は、直接問い合わせて確認します。

建設投資の見通し(2026年度)

「令和8年度(2026年度)建設投資見通し」の名目値です。実際に完成した工事の実績ではありません。

区分 2026年度の見通し 2025年度比
建設投資の合計 81兆4,700億円 2.9%増
政府投資 26兆6,000億円 0.6%増
民間投資 54兆8,700億円 4.1%増
民間住宅建築投資 18兆200億円 1.9%増
民間非住宅建設投資(非住宅建築+土木) 22兆2,600億円 6.6%増
民間建築補修(改装・改修)投資 14兆5,900億円 3.1%増

同じ資料で2025年度の建設投資は79兆1,800億円の「見込み」です。過去に公表された同年度の「見通し」と数値が変わることがあるため、比較する際は資料の公表年もそろえます。

非住宅や改装・改修の投資が増える見通しは、設備工事を検討するうえでの背景情報になります。ただし、ここから電気工事・管工事だけの投資額や、受変電・空調・給排水ごとの伸び率を直接取り出すことはできません。

数字から言えること・言えないこと

言えること 言えないこと
2024年度の完成工事高は電気工事業で減少、管工事業で増加した 工事量が同じ割合で増減したか
電気工事業の元請工事は民間・公共とも前年度を下回った 自分の地域や候補会社の仕事が減ったか
2026年度の建設投資は名目で増加する見通し その増加が確定した実績であること、設備別の市場規模

発注者・元請けにとっての意味

  • 候補会社の受注余力は、直接確かめる。 全国の市場金額だけでは、地域の会社が希望時期に施工できるかは判断できません。希望工期と工事内容を伝えて確認します。
  • 金額の比較は、時点をそろえる。 数年前の工事費との差には、物価だけでなく仕様や施工条件の違いも含まれます。比較には、同じ時期に取った複数の見積もりを使います。比べ方は電気工事の見積もりの取り方と比べ方と管工事・設備工事の見積もりの取り方と比べ方を参照してください。
  • 依頼の内容を最初にそろえる。 範囲・時期・現場の条件がはっきりしている依頼は、工事会社も見積もりを出しやすくなります。工事を頼む前に決めておくこと

データを社内で使うときのチェックリスト

  • 「何年度の実績か」「いつ公表されたか」を書き添えたか
  • 名目値(物価の上昇を含む)であることを書いたか
  • 「電気工事業」は会社の分類で、電気工事の量そのものではないことを踏まえたか
  • 建設投資(見通し)と完成工事高(実績)を混同していないか
  • 全国の金額から、候補会社の受注余力や地域の工事量を推測していないか

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この記事は、全国の市場の金額の動きを扱いました。次のテーマは、それぞれの記事で解説しています。

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