夜の建物の窓に明かりがともり、屋外の非常用発電機のそばにヘルメット姿の作業者がいる場面。
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発注・費用

非常用発電機の設置・更新|費用の内訳と、依頼先で確かめる法令・届出

目次
  1. まず整理すること:何に電気を送るか
  2. 更新を考えるきっかけ
  3. 必要になることがある手続き
  4. 費用の内訳と、見積もりで確かめる点
  5. 依頼先で確かめること
  6. 関連する記事
  7. 地域の電気工事会社を探す

非常用発電機の設置・更新は、何のために電気を送るかで、必要な仕様と手続きが変わります。用途は、消防用設備の非常電源、建築基準法の予備電源、事業継続のための電源に分けて整理します。用途を決めたら、依頼先と必要な手続きを確かめます。確認するのは、電気事業法の保安管理、消防への届出、燃料の危険物関係の手続き、環境関係の手続きです(2026年10月時点)。費用は出力・燃料・設置場所で大きく変わるため、この記事では金額ではなく、費用の内訳と見積もりで確認する点を説明します。

まず整理すること:何に電気を送るか

目的 主な対象 決まり
消防用設備の非常電源 屋内消火栓、スプリンクラー、排煙機など 対象設備に認められる非常電源の種類・容量・運転時間を確認。自家発電設備を採用する場合は適合する構造と点検が必要
建築基準法の予備電源 非常用の照明、排煙設備、非常用エレベーターなど 建築基準法の基準に合う予備電源が必要
事業継続計画(BCP)に沿った電源の確保 サーバー、通信、冷蔵・冷凍、生産設備の一部 対象業種・施設に関する法令や業務継続計画の要件も確認し、必要な時間・容量を決める

1台の発電機で複数の目的を兼ねることもあります。兼用する場合は、消防用設備への供給を妨げない容量・回路構成・一般負荷の遮断条件などを、設計者と所轄消防に確認します。「負荷」とは、発電機から電気を送る機器や設備のことです。どの機器を、どの順番で、何時間動かすかを依頼先に伝えます。

更新を考えるきっかけ

  • 点検で、始動の不良、燃料・冷却水の漏れ、部品の劣化を指摘された
  • 部品の供給が終わり、修理ができなくなった
  • 施設の増築・用途変更で、必要な容量が増えた
  • 停電の経験から、事業継続のために動かしたい負荷を増やしたい

更新の相談には、直近の点検報告書、不具合の記録、部品供給に関する案内を用意します。点検方法や記録の扱いは、現在の点検業者に確認してください。この記事では、点検の周期・実施方法の詳細は扱いません。

必要になることがある手続き

保安規程は、電気設備の安全な運用や点検の体制を定める規程です。電気工作物(発電・受電・配電などに使う電気設備)の区分によって、必要な手続きが変わります。

手続き 対象になる条件 届出先
電気事業法の保安(保安規程・電気主任技術者) 出力・接続先などによる電気工作物の区分に応じて確認。高圧受電施設に接続する場合は、既存の保安規程や電気主任技術者の管理範囲も確認 産業保安監督部。高圧受電の施設なら、電気主任技術者(施設の電気の保安を監督する人)がまず窓口
発電設備の設置の届出 市町村の火災予防条例で決まる 所轄の消防本部・消防署
燃料(危険物)の届出・許可 指定数量(消防法上の手続きの基準となる量)は、軽油(第二石油類・非水溶性)が1,000L、重油(第三石油類・非水溶性)が2,000Lです。指定数量以上は消防法の許可が必要です。指定数量の5分の1以上で指定数量未満は「少量危険物」として、長野市などでは条例による届出が必要です 所轄の消防本部・消防署(許可は市町村長等)
ばい煙・騒音・振動に関する手続き 原動機(発電機を動かすエンジンなど)の種類・規模、設置場所によって対象が変わる。電気工作物には大気汚染防止法の届出規定などの適用除外があり、電気事業法の手続きによる場合がある 産業保安監督部と自治体の環境担当に、適用法令・提出先・着工までの期間を確認
建築の手続き 屋外に置く場合の基礎、建物の構造(屋上に置く場合の荷重)など 建物の条件による
  • 環境関係の手続きを、一律に「自治体へ届出後60日」とは判断しません。電気事業法の工事計画届出などの要否と着工制限を、設計段階で確認して工程に入れます。
  • 作業資格は、設備の最大電力と作業範囲で確認します。電気工事士法の対象となる500kW未満の自家用需要設備では、非常用予備発電装置の特殊電気工事に特種電気工事資格者が必要です。第一種の免状だけでは足りません。非常用予備発電装置として設置する配電盤のうち、他の需要設備との間の電線との接続部分は特殊電気工事の範囲から除かれるため、その作業に合う資格を別に確認します。500kW以上の需要設備などは同法の対象外ですが、電気事業法による保安管理が必要です。

同じ場所で複数の危険物を貯蔵・取り扱うときは、各数量を各指定数量で割った値の合計で区分を判断します。タンク単体の容量だけで判断せず、施設内の燃料や潤滑油の扱いを消防に相談してください。

費用の内訳と、見積もりで確かめる点

非常用発電機の費用は、出力・燃料の種類(軽油・重油・ガス)・運転時間・設置場所で変わります。確認した一次資料では、条件のそろった相場を確認できていません。このため、ここでは金額を示しません。見積書では、次の項目を確認します。

費用の項目 中身 確かめる点
発電機本体 エンジン・発電機・制御盤(パッケージ型が多い) 出力(kVAは機器の容量、kWは実際に使える電力の指標)、燃料、消防法の基準に適合する製品か(消防用の非常電源の場合)
燃料タンク・燃料配管 本体内のタンク、別置きのタンク 何時間運転できる燃料を置くか。危険物の届出・許可の区分
基礎・搬入・据え付け コンクリート基礎、クレーンでの搬入、防振 屋上・地下に置く場合の搬入の方法。建物の荷重
電気工事 切替盤(停電時に発電機へ切り替える盤)、配線、受変電設備の改修 どの回路に電気を送るか。停電を伴う作業の時間
排気・換気・騒音対策 排気管、換気、消音器 近隣への騒音、排気の向き
撤去・処分 古い発電機・タンクの撤去、残った燃料の処分 撤去費と処分費が含まれるか
申請・届出 消防、危険物、大気汚染防止法、電気事業法の書類 誰が作り、誰が出すか
試運転・負荷試験 引き渡し前の試運転 実際の設備を動かして試験するか、負荷試験装置を使うか

更新のときに見落としやすいこと

  • 古い発電機を撤去する間、非常電源がない期間が生じます。仮設の発電機を置くか、工事の期間を短くする工夫が必要です。消防用設備の非常電源が使えない期間の扱いは、所轄の消防に相談します。
  • 新しい機種は大きさ・重さ・排気の位置が違うことがあり、基礎や排気管の作り直しが必要になる場合があります。

依頼先で確かめること

非常用発電機の工事は、電気工事会社がまとめて請け負う場合と、発電機のメーカー系の会社が請け負い、電気工事を協力会社が行う場合があります。

依頼先を選ぶチェックリスト

  • 同じくらいの出力・用途の発電機の設置・更新の実績
  • 負荷(何を、何時間動かすか)の整理から手伝ってくれるか
  • 消防、危険物、大気汚染防止法、電気事業法の手続きのうち、どれを代わりに準備するか
  • 高圧受電の施設では、電気主任技術者との調整をしてくれるか
  • 更新中の非常電源の空白への対策(仮設発電機など)を提案してくれるか
  • 工事に応じた建設業許可(電気工事業)と電気工事業法の登録・通知(みなし登録・みなし通知を含む)
  • 設置後の点検(消防法の点検、電気事業法の点検)を誰が行うか。点検業者との分担
  • 部品の供給期間と、故障のときの駆けつけの体制

相談時は「電気を送る設備/必要な運転時間/設置候補場所/新設か更新か/点検での指摘/工事中も電源が必要な設備」を一覧にして渡します。未定の項目は未定とし、容量や設置方法の検討を依頼します。

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この記事は発電機の設置・更新に絞っています。蓄電池との比較、受変電設備の停電計画、施設全体の工事調整は、次の記事を参照してください。

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