事業所の駐車場で、ヘルメットの作業者が電気自動車の充電器を確認している場面。
イメージ図(AIで生成)
発注・費用

事業所へのEV充電器の設置|工事の内容・費用の内訳・業者の選び方

目次
  1. 充電器の種類と、向いている使い方
  2. 必要な電気工事と、容量の確認
  3. 費用の内訳と、見積もりで確かめる点
  4. 業者の選び方
  5. 関連する記事
  6. 地域の電気工事会社を探す

事業所にEV(電気自動車)の充電器を設置するときは、まず使い方に合う普通充電か急速充電かを選びます。次に、今の受電設備の容量で足りるかを電気工事会社に確認してもらいます。普通充電器でも専用回路や受電容量を確認します。

急速充電器は出力が大きく、受電の契約や設備の増強が必要になることがあります。急速充電設備は、設置地の火災予防条例による設備基準と、届出の対象を分けて確認します(2026年10月時点)。

費用は台数・出力・配線の距離で大きく変わるため、この記事では金額を示さず、費用の内訳と見積もりで確認する点、補助金の調べ方を説明します。

充電器の種類と、向いている使い方

普通充電は交流の電気を車両に送り、車両側で直流に変換して充電します。急速充電は、充電器で直流に変換して車両に送ります。

種類 電気の形 向いている使い方 工事の特徴
普通充電(コンセント型) 交流100V・200Vなど(機種による) 社用車を夜間に充電する。駐車時間が長い 専用の回路とコンセントの工事。比較的小さな工事
普通充電(スタンド型・壁掛け型) 交流100V・200Vなど(機種による) 社用車・来客用。課金や利用者の管理をしたい 専用回路の工事に加え、基礎・据え付け。通信機能つきもある
急速充電 直流(充電器の中で変換) 短時間で充電したい。営業車の回転が速い、来客の滞在が短い施設 出力が大きく、受電容量の増強、基礎、電力会社との協議が必要になることが多い

選ぶときの考え方

  • 社用車が夜に事業所へ戻るなら、駐車中に普通充電で必要な量を充電できるかを検討します。
  • 来客用(店舗・ホテル・商業施設)は、滞在時間に合わせて選びます。滞在中に必要な充電量を確保できるかを基準に、普通・急速を検討します。
  • 将来、台数を増やす予定があるなら、将来の配線用の配管や設置スペースを確保する方法を、依頼先に相談します。

必要な電気工事と、容量の確認

1. 受電の容量の確認

充電器を足すと、施設全体で使う電気が増えます。電気工事会社に、今の契約電力・受電設備の容量・分電盤の空きを確認してもらいます。

受電の方式 確認する設備・情報 充電器を足すときの注意
低圧受電 既存の引込線・幹線・分電盤の容量 充電器の出力の単純な合計だけで判断せず、同時使用や出力制御も含めて契約・設備の変更の要否を確認
高圧受電(キュービクルあり) 変圧器の容量・既存の最大需要電力(施設で使う電力のピーク) 余裕がなければ変圧器の増設・交換などを検討。電気主任技術者(施設の電気の保安を監督する人)と調整

キュービクルは、高圧の電気を受けて低圧に変える機器を収めた設備です。変圧器は、電圧を変える機器を指します。

2. 充電器までの配線

分電盤やキュービクルから、駐車場の充電器まで配線します。距離が長い、地面を掘って配管を埋める(掘削)、アスファルトを切って戻す、などの作業があると、工事の量が増えます。

3. 基礎・据え付け・安全対策

機種・設置条件に応じた基礎や固定工事を確認します。基礎の要否・構造と固定方法は、メーカーの施工要領と現地条件にもとづいて依頼先に判断してもらいます。車が当たらないように車止めやポールを置くこと、屋外では防水・防じんの機器を選ぶことも確認します。

4. 作業する人の資格

配線工事を行う人の資格は、施設の設備区分と実際の作業範囲に合うかを確認します。種類ごとの範囲と免状・認定証の見方は、電気工事士の資格の確認方法を参照してください。

ほかに必要になることがある手続き

  • 電力会社(一般送配電事業者)への申込み: 契約電力の変更や、受電設備の増強をする場合
  • 消防への届出: 急速充電設備は、市町村の火災予防条例を確認します。設備基準の適用と設置届出の要否は、分けて確かめます。
  • 駐車場の区画・表示の変更: 施設の管理規約や、テナントならビルの管理者の承認

急速充電設備の条例を確認する例

長野市では、全出力20kWを超えるものに「急速充電設備」の基準が適用されます。同市の案内では、全出力20kW以下はこの規制の対象外です。2023年10月1日施行の改正で、従来「変電設備」として扱っていた全出力200kW超の設備も、急速充電設備に含まれました。

一方、同市で設置届出が必要なのは全出力50kWを超える急速充電設備です。設備基準の対象と届出の対象は異なります。 設置予定地の条例と提出時期は、所轄消防署に確認してください。

費用の内訳と、見積もりで確かめる点

費用は、台数・出力・配線の距離・受電設備の増強の有無で大きく変わります。今回確認した一次資料では条件をそろえた相場を確認できないため、ここでは金額を示しません。見積書では、次の項目を確認します。

費用の項目 中身 確かめる点
充電器本体 普通・急速の充電器、課金・認証の装置 出力、同時に何台充電できるか、通信機能
受電設備の増強 変圧器の増設、高圧受電への切り替え、分電盤の交換 必要かどうかの根拠(今の最大需要電力との比較)
配線・配管 盤から充電器までのケーブル、配管、掘削・舗装の復旧 距離と経路。将来の増設分の配管を入れるか
基礎・据え付け コンクリート基礎、車止め、ポール 基礎の大きさ、舗装の切断と復旧
申請・届出 電力会社への申込み、消防への届出、補助金の申請書類 誰が作り、誰が出すか。費用に含まれるか
保守・通信 保守契約、課金サービスの月額、通信費 設置後に毎月かかる費用と、契約の期間

補助金の調べ方

  • 国の補助金として、経済産業省の「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てん設備等導入促進補助金」があり、充電設備の部分は一般社団法人次世代自動車振興センターが受け付けています。公募の期間・対象・上限額は年度や期ごとに変わります。2026年10月時点の公募の状況は、同センターの公式サイトの「充電設備補助金」案内と新着情報で確認してください。
  • 都道府県・市町村が、国の補助金と組み合わせて上乗せする補助金を出していることがあります。設置する場所の自治体のページも確認します。
  • 同センターの令和7年度補正・第1期/第2期の手引きでは、交付決定日後に充電設備を発注し、設置工事を開始することが条件です。基礎工事などの準備も施工開始に含まれます。別年度・別枠の制度も、適用する手引きで発注・着工条件を確認してください。

業者の選び方

EV充電器の工事は、充電器の販売会社が工事まで手配する場合と、電気工事会社に直接頼む場合があります。どちらでも、次の点を確認します。

依頼先を選ぶチェックリスト

  • 事業所向けの充電器の設置実績があるか(普通・急速のどちらか)
  • 受電の容量の確認を、現地調査で行ってくれるか(根拠を示すか)
  • 高圧受電の施設では、電気主任技術者と調整してくれるか
  • 電力会社への申込み、消防への届出、補助金の書類を手伝ってくれるか
  • 電気工事業法の登録・通知(みなし登録・みなし通知を含む)と、工事に応じた建設業許可(電気工事業)
  • 掘削・舗装の復旧まで含めて請け負えるか(別の業者が必要か)
  • 設置後の故障の連絡先、駆けつけの体制、保守の費用

見積もりを頼むときに伝えること

  • 使う車の台数・種類、充電する時間帯(夜間か、日中か)
  • 設置したい場所(駐車場の図面や写真)
  • 受電の方式(低圧か、キュービクルがあるか)と、電気料金の明細(契約電力が分かるもの)
  • 将来の増設の予定
  • 補助金を使う予定があるか

台数だけでなく、「各車が何時に戻り、何時までに充電を終えたいか」「同時に何台使うか」を伝えます。この条件を各社でそろえると、普通・急速の選択や受電設備の増強の提案を比較しやすくなります。

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この記事は充電器の選定と設置工事に絞っています。受電設備の更新、電力需要の管理、補助金全般の探し方は、次の記事で扱います。

地域の電気工事会社を探す

EV充電器の設置を相談できる会社は、地域の電気工事会社の一覧から探せます。一覧から各社の会社ページを開き、建設業許可の業種や有効期限などの公表情報を確認してください。充電器の設置実績は、各社に直接たずねてください。

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出典・参考

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