高い天井にLED照明が並ぶ物流倉庫で、フォークリフトと荷棚、EV充電器が置かれている。
イメージ図(AIで生成)
発注・費用

物流倉庫の電気工事|照明・動力・充電設備の計画と操業を続ける発注の手順

目次
  1. 照明・動力・充電をまとめて現状調査する
  2. 照明は床だけでなく棚・検品位置の見え方を確認する
  3. 動力と充電は機器の仕様・同時使用から計画する
  4. 工事区画と荷物の移動を工程に入れる
  5. 依頼先・見積もり・引渡しで確認すること
  6. 関連する記事
  7. 地域の会社を探す

物流倉庫の電気工事は、保管棚(ラック)と人や車両の移動経路、搬送設備の電源、充電する時間帯を同じ図面で整理して計画します。照明を交換するだけでも、高所作業のために荷物を動かす範囲や、フォークリフトの通行を止める時間が費用と工程に影響します。設備費と施工費に加え、操業を続けるための段取りを比較しましょう。

2026年10月時点の公表資料を参照しています。天井高さ、面積、電源の状況、夜間作業などをそろえた価格の根拠は確認できていないため、一律の費用相場は示しません。

照明・動力・充電をまとめて現状調査する

最初に、現況の配置図、電気の系統図、設備一覧、点検記録を集めます。計画時の図面と現場が違う場合は、工事範囲に関係する部分から照合してもらいます。

調査対象 発注者が伝える情報
建物・レイアウト 天井高さ、ラックの高さ、通路幅、将来の配置変更
作業 入出荷、仕分け、検品、棚からの取出し、夜間の運用
照明 器具の位置・型式、不点灯、暗い箇所、点灯時間
動力設備 コンベヤー、昇降設備、冷凍冷蔵設備等の仕様と稼働時間
充電設備 車両・搬送機器の種類、充電器の仕様、同時使用の予定
工事条件 荷物を移動できる時期、停止可能な区域、搬入口

倉庫の所有者、借主、物流の運営会社が異なる場合は、設備の所有者と保守の担当範囲と工事の承認者を確認します。分電盤や受変電設備の改修が必要になった場合も、誰が契約し、どこまで費用を負担するかを先に整理します。

照明は床だけでなく棚・検品位置の見え方を確認する

照明計画では、床面だけでなく、棚のラベル、商品、検品する机や端末など、実際に見る面を確認します。ラックや荷物で影ができる場所、荷役時に器具が視界に入る方向も調べてもらいましょう。

厚生労働省の腰痛予防対策指針は、作業場所・通路・階段で足元や周囲を確認できる照明環境の重要性を示しています。明るさを電力削減だけで決めず、作業の安全と見やすさも比較します。厚生労働省の指針

照度は、面に届く光の明るさを示す量です。必要な照度や測定面は、作業内容に応じて設計担当者に根拠を示してもらいます。倉庫全体に同じ数値を当てはめず、検品、保管、通行などの区域に分けます。

高天井の器具では、取付方法、落下防止、保守時の接近方法も確認します。センサーで調光・消灯する案なら、作業中に暗くならないか、検知範囲と手動操作を確認しましょう。

動力と充電は機器の仕様・同時使用から計画する

動力は、モーター等を動かすための電源として使われる呼び方です。必要な電圧、単相・三相などの電源方式、容量は機器によって異なります。コンセントの位置だけで判断せず、機器の仕様書を電気工事会社へ渡します。

設備の増設では、各設備へ電気を分ける分岐回路だけで対応できるかを調べてもらいます。主要な配線である幹線や、回路を分ける分電盤の改修が必要かも確認します。受け取った電気を施設で使う電圧に変える受変電設備まで、検討が必要になる場合もあります。始動時の条件、同時に動かす設備、将来増設する設備も伝えます。

充電設備は、台数と充電時間を含めて検討します。フォークリフト、搬送ロボット、電気自動車などでは、充電方式と必要な設備が異なります。車両・電池・充電器の仕様を確認し、充電場所の換気や衝突対策も合わせて協議します。

労働安全衛生総合研究所の倉庫業向け資料(17ページ)は、硫酸を電解液に使うバッテリーの充電に伴う水素発生や、充電場所の火気・換気への注意を示しています。この記述をすべての電池に一律に当てはめず、電池方式ごとの対策を確認してください。貨物運送業・倉庫業用チェックリスト

工事区画と荷物の移動を工程に入れる

倉庫では、高所作業車を置ける通路や床が作業車の重さに耐えられるか、作業中に立入りを止める範囲を現地で確認します。作業者の頭上だけでなく、荷物の落下や車両の接触を防ぐ区画を、施工会社と運営担当者で調整します。

工程表には、施工のほか、荷物の移動、周囲の保護(養生)、清掃、検品、通常配置への復旧を含めます。荷物を動かす担当と費用、移動先の保管条件、在庫管理上の処理も決めます。

停電する場合は、照明、シャッター、搬送設備、情報システム、充電、冷凍冷蔵などへの影響を系統ごとに確認します。冷凍冷蔵品等の保管がある場合は、保管管理の担当者が認める条件を工程に反映させます。

一般照明と非常用照明・誘導灯も区別します。非常用照明は停電時の避難に必要な明るさを確保し、誘導灯は避難口や避難方向を示します。国土交通省の防災性能確保ガイドブックは、防災照明の役割と機能低下への対応を整理しています。官庁施設向けの資料のため、倉庫での設置義務や必要な仕様は、建物の用途・規模等に応じて設計担当者と確認します。工事区画を変える際は、避難経路と設備を使える状態に保つ方法を、施設の防災担当者と確認しましょう。防災性能確保ガイドブック

依頼先・見積もり・引渡しで確認すること

依頼先には、同じ天井高さやラック条件での施工経験、稼働中の区画施工、物流担当者との調整体制を確認します。照明、動力、充電設備のうち自社で施工する範囲と、機器メーカー等が担当する範囲も聞き取ります。

各社には、同じ配置図と設備仕様、作業時間、停止範囲を渡します。

費用の項目 比較する条件
調査・設計 回路調査、照明計算、容量の検討
機器・配線 器具、盤、ケーブル、保護・制御、接続範囲
高所・仮設 作業車、足場、養生、立入り規制
操業調整 荷物の移動、夜間・休日作業、警備、立会い
撤去・復旧 旧設備の撤去・処分、内装や区画の復旧
試験・記録 電気試験、照度測定、設備の動作確認、完成図

「照明器具の単価」だけで比べず、荷物の移動や高所作業が含まれるかを確認します。動力の増設では、既存盤や幹線を再利用できるという判断の根拠も説明してもらいましょう。

引渡し前には、次を点検します。

  • 合意した配置・測定面・条件で明るさを確認しましたか。
  • 点灯制御、センサー、手動操作が予定どおり動きますか。
  • 増設設備と充電器を、合意した運転条件で確認しましたか。
  • 回路表示、完成図、試験記録、保守方法を受け取りましたか。
  • 作業区画を解除し、物流の通常運用へ戻す担当者が確認しましたか。

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LED化の一般的な工事方法、動力電源の増設方法、車両の充電、冷凍冷蔵設備の更新は、次の記事で扱います。

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出典・参考

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