工場内の圧縮空気の配管とコンプレッサー、タンクがあり、ヘルメット姿の作業者がバルブを施工している。
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発注・費用

工場のエア配管工事|材質・圧力・空気品質の決め方と依頼先の確認点

目次
  1. 最初にそろえる圧力・流量・空気品質
  2. 材質は配管システムとして比較する
  3. 漏れ・ドレン・保守を考えた経路にする
  4. 生産を止める範囲と切替手順を決める
  5. 見積もりと引渡しの確認項目
  6. 関連する記事
  7. 地域の管工事会社を探す

工場のエア配管工事は、使う機械の接続口で必要な圧力・流量・空気品質を決めることから始めます。コンプレッサーの吐出圧力や管の材質だけを指定しても、末端で必要な性能を満たすかは分かりません。将来の増設、停止できる範囲、漏れの点検方法まで含めて発注します。

ここでは、製造設備や工具へ圧縮空気を送る配管を扱います。医療用や呼吸用などの専用設備は対象に含めません。費用・制度に関する説明は2026年10月時点です。

最初にそろえる圧力・流量・空気品質

圧縮空気は、空気を圧縮して設備へ送る動力源などとして使います。配管内を流れる際の圧力の低下を「圧力損失」といいます。依頼時には、機械が必要とする条件と、コンプレッサー側の条件を分けて伝えます。

項目 工事会社に渡す情報 設計で確認してもらう点
必要圧力 各機械の接続口で必要な圧力 同時運転時にも確保できるか
必要流量 機器仕様書、使用時間、同時に動く組合せ 流量の表示条件がそろっているか
空気品質 水分・油分・異物に関する機器側の要求 乾燥・ろ過設備と配管の分担
既設の状態 系統図、管径、経路、漏れや水混入の履歴 再利用する範囲と更新する範囲
将来計画 増設する機械、接続位置、操業計画 予備の分岐と区画の取り方

なお、高圧ガス保安法では、常用の温度で圧力(ゲージ圧力)が1MPa以上となる圧縮ガスなどを「高圧ガス」と定めています。1MPa以上の圧縮空気を扱う設備や、昇圧機を設ける計画では、法令上の扱いを工事会社と設備メーカーに確認してください。

必要な圧力や品質が不明な機械は、設備メーカーへ仕様書を求めます。「現在動いているから同じでよい」とせず、増設後の運転条件を共有することが大切です。

圧力不足があるときは、配管の細い部分、継手、末端ホース、フィルターなども調査対象にします。元の圧力を上げる案だけでなく、経路や構成を変える案も説明してもらいましょう。

材質は配管システムとして比較する

鋼管、ステンレス管、アルミ配管などを比較する場合も、材質名だけで採用を決めません。管、継手、シール部品、バルブを組み合わせた状態で、使用条件を満たす資料を提出してもらいます。

比較する候補 提案時に提出してもらう内容
鋼管を用いる案 管の規格、表面処理、接合方法、内部腐食・異物への対策
ステンレス管を用いる案 材種、継手方式、施工後の清浄度の管理方法
アルミ配管を用いる案 圧縮空気用途への適合資料、専用継手の条件、交換部品の供給
既設配管を残す案 残す部分の調査結果、新設との接続方法、保証の境界

共通して、許容圧力・温度、設置環境、振動への対応、増設・補修の方法を確認します。異なる材質を接続する箇所や、既設継手との適合も設計担当者に判断してもらいます。

材料単価のほか、接合作業、支持金物、検査、将来の補修まで含めた工事全体で比較します。どの案でも、圧縮空気用途に適合する根拠を示してもらうことが先です。

漏れ・ドレン・保守を考えた経路にする

環境省の空気洩れ対策資料は、配管からの漏れが圧縮空気の無駄やライン圧の低下につながると説明しています。同じ資料は、工場の電気設備の電力のおよそ4分の1をコンプレッサーが占めるとしており、漏れはそのまま電力の損失になります。産業環境管理協会の事例でも、配管の継手やホース取付部の点検を取り上げています。

配管を更新する際は、既設の漏れ箇所を調べ、使っていない枝管を残すかも検討します。系統を分けるバルブの位置は、停止範囲と点検のしやすさを見ながら決めます。

ドレンは、圧縮空気系統などで生じる凝縮水です。発生・滞留する場所、排出する方法、点検できる位置を図面に示してもらいます。油分などを含む排出物の扱いも、工場の環境管理担当者と確認します。現場条件を調べず、一律の配管勾配や排出方法を指定することは避けましょう。

工事会社には、直線の経路だけでなく、分岐、曲がり、末端の接続機器を含めて説明してもらいます。保守で触る場所に作業空間があるか、漏れの調査ができるかも現地で見ます。

生産を止める範囲と切替手順を決める

既設管へ接続する工事では、空気供給の停止が生産設備にどう影響するかを先に確認します。図面上のバルブだけに頼らず、実際の系統と区画を調べてもらいます。

  1. 工場側が、停止できるラインと時間帯を指定します。
  2. 工事会社が、切り離す範囲と新設する範囲を図示します。
  3. 工場の設備担当と、停止・残圧処理・再供給の担当を決めます。
  4. 検査、清掃、復旧確認を含む工程を確認します。
  5. 生産設備側の動作を確かめてから引渡しを受けます。

仮設供給を使う場合も、必要な圧力・流量・品質を満たすかを別に確認します。既設建材や保温材の撤去を伴う場合は、厚生労働省の案内を踏まえ、石綿の事前調査の対象範囲を施工業者に確認してください。

見積もりと引渡しの確認項目

工事費は管材だけでなく、継手・バルブ、支持、既設撤去、高所作業、接続、試験、図面作成で変わります。条件をそろえた金額の根拠を確認できていないため、相場やメートル単価は示していません。

  • 空気使用機器の条件と同時稼働の前提を共有したか
  • 管径・材質・継手・分岐・バルブの範囲が図面にあるか
  • コンプレッサー、乾燥・ろ過設備の工事を含むか
  • 停止、残圧処理、仮設供給の担当と費用を決めたか
  • 漏れの検査方法、性能確認の条件、合否の判断を決めたか
  • 末端での圧力確認と、生産設備の復旧確認を含めたか
  • 完成図、検査記録、部品情報、保守の連絡先を受け取れるか

依頼先には、同様の圧力・空気品質を扱った工場での実績を尋ねます。新設だけでなく、操業中の工場で系統を調査し、切替工事を行える体制があるかを確認しましょう。

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