飲食店の厨房で、流し台の下にグリーストラップを設置するヘルメット姿の配管工の場面。
イメージ図(AIで生成)
発注・費用

グリーストラップの設置・交換工事|飲食店の容量選定と費用・発注の確認点

目次
  1. グリーストラップの役割と設置条件
  2. 交換する前に原因と容量を調べる
  3. 設置場所は清掃と厨房の動線から決める
  4. 費用の内訳と営業を止める時間
  5. 引渡し後の管理まで決めておく
  6. 関連する記事
  7. 地域の会社を探す

グリーストラップの設置・交換は、厨房の排水条件に合う容量と、毎日点検・清掃できる配置を決めてから発注します。機器の外寸だけで選ぶと、排水管に接続できない、清掃時にふたを開けられないなどの支障が出かねません。設置の要否と工事店の指定、申請は、所在地の下水道担当窓口に確認します。

2026年10月時点の公表資料をもとに、飲食店・施設厨房の発注者向けに説明します。工事条件をそろえた価格の根拠は確認できていないため、金額ではなく費用の内訳を示します。

グリーストラップの役割と設置条件

グリーストラップは、厨房排水に含まれる油脂を分離し、ためておく装置です。油脂を排水管や下水管へ流しにくくするために設けます。阻集器とも呼ばれます。

横浜市は、油脂類を多量に排出する店舗等に設置を義務づけ、工事は市の排水設備指定工事店が行うよう案内しています。また、日本阻集器工業会の認定品の設置を求めています。これは横浜市の案内であり、全国一律の施工条件として扱わないようにします。横浜市の設置案内

出店先が決まったら、厨房の計画図を持って下水道担当窓口へ相談します。既存店舗を引き継ぐ場合も、旧店舗の設備が新しい調理内容や排水量に適しているかを確認します。賃貸物件では、床の開口や配管変更について所有者の承諾も整理します。

交換する前に原因と容量を調べる

におい、あふれ、排水の流れの悪さがあっても、本体の交換が必要とは限りません。清掃状態、本体の破損、接続管の状態、厨房の使い方を調べ、交換で何が改善するかを説明してもらいましょう。

調査項目 工事会社へ渡す情報・質問
調理内容 油を使う料理、食数、営業時間、繁忙時の状況
排水設備 シンク、食器洗浄機などの仕様と、排水が集中する時間
既存本体 型式、容量、材質、設置年、ふた・内部部品の欠損
配管条件 流入口・流出口の位置と高さ、下流側の詰まりの有無
清掃条件 清掃履歴、ふたを開ける空間、回収作業の経路

容量の提案は、使った算定方法と入力条件を添えてもらいます。「床に収まるから」「以前もこの大きさだったから」だけでは、選定の説明になりません。将来の食数増加を見込む場合も、その条件を各社へ同じように伝えます。

設置場所は清掃と厨房の動線から決める

床に埋め込む方法や床上に置く方法など、建物条件に応じた提案を比較します。既存設備の交換なら、撤去後の開口寸法、配管の高さ、床の防水・仕上げをどこまで直すかを現地で確認します。

配置図には、次の範囲を入れてもらいます。

  • 本体と、ふたを開けて部品を取り出すための空間
  • 清掃用具を置く場所と、回収した物を運び出す経路
  • 厨房スタッフの移動経路と、台車が通る場所
  • 将来、機器を交換するときの搬出入経路

ふたの仕様も、設置場所で受ける重さや使用条件に合っているか確認します。建物の床や梁への影響は、設備会社だけで判断を進めず、必要に応じて建築側の担当者と調整します。

費用の内訳と営業を止める時間

見積もり項目 比較する条件
本体・付属品 容量、材質、ふた、バスケットなどの範囲
清掃・撤去 残留物の回収、既設本体の解体、運搬・処分
配管工事 接続位置の変更、下流側の清掃や交換の有無
建築工事 床の開口・復旧、防水・仕上げ、周囲の保護(養生)
仮設・管理 夜間作業、搬入、警備、申請対応、現場管理
試験・引渡し 通水・漏れの確認、完成図、取扱い説明

床などの既存建材を切断・穿孔(穴あけ)・撤去する場合は、石綿(アスベスト)の事前調査の対象範囲、実施者の資格、結果を施工会社に確認します。必要な調査・対策の費用と日数も見積もり・工程に含めます。事前調査は原則として工事規模を問わず必要で、一定規模以上の工事で必要になる行政への調査結果の報告とは別です。厚生労働省の手続き案内

新設では、厨房機器から本体までの排水管と、本体から既存排水管までの接続を誰が施工するかも決めます。厨房機器、配管、床の防水・仕上げの担当を図面上で区切り、見積もりの抜けや重複を確認します。

「厨房が使えない時間」と「店舗全体を休業する時間」を分けて工程を出してもらいます。床の復旧や、仕上げ材が固まるまでの保護期間が必要なら、本体の据付けが終わっても使用を再開できない場合があります。調理・洗浄・清掃のどの作業をいつ止め、誰が再開を承認するかまで決めましょう。

残留物や撤去物は、処理区分と委託先、必要な書類を見積もり時に確認します。大阪市は、し尿を含まないグリース阻集器の清掃汚泥を産業廃棄物とし、油分や野菜くず等の混入状況によって区分が変わることを説明しています。清掃で出る物を一律に生ごみとして扱わず、内容物に応じて確認しましょう。大阪市の産業廃棄物に関するFAQ

日常清掃で出る物と、工事で撤去する物をひとまとめにせず、所在地の廃棄物担当窓口にも確認します。

引渡し後の管理まで決めておく

広島市は、グリース阻集器の日常点検と、ごみ受けのバスケット、水面に浮く油脂、底にたまる沈殿物などの清掃を案内しています。設置後は、同市の案内や所在地の管理基準、機器の取扱説明書を確認し、点検・清掃の頻度を決めます。汚れが多い場合には、定めた清掃日を待たずに除去します。広島市の維持管理案内

厨房担当者と清掃会社の間で担当が空白にならないよう、日常点検、部品の清掃、回収作業、不具合時の連絡を一覧にします。機器の交換費だけを比較せず、清掃のしやすさも現地で確認しましょう。

  • 計画確認・完了届等の要否と担当者を確認しましたか。
  • 接続部の漏れと通水状態を、合意した方法で確認しましたか。
  • ふたと内部部品を実際に開閉・取外しできますか。
  • 完成図、型式・容量、清掃方法を受け取りましたか。
  • 清掃担当、実施記録の保管場所、不具合時の連絡先を決めましたか。

横浜市では、排水設備の設置工事等について事前の計画確認を案内しています。所在地でも同様の手続きが必要か、契約前に確認してください。横浜市の計画確認案内

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下流の排水管の詰まり・改修や厨房の換気、設備工事全般の見積もり比較は、次の記事で扱います。

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