建物の床の断面で、詰まった排水管を新しい管に入れ替えるヘルメット姿の配管工の場面。
イメージ図(AIで生成)
発注・費用

排水管の改修工事はいつ必要?ビルの詰まりを清掃で済ませるか判断する手順

目次
  1. 緊急対応と原因調査を分ける
  2. 清掃か改修かは調査結果で判断する
  3. 改修案は再発原因を解消できるかで比べる
  4. 排水を止める範囲と費用をそろえる
  5. 工事会社の選定と完了確認
  6. 関連する記事
  7. 地域の会社を探す

ビルや店舗で排水の詰まりが続くときは、清掃を繰り返す前に、詰まる場所と原因を調べ、清掃・部分補修・更新を比較します。築年数や詰まった回数だけでは、改修の必要性を判断できません。漏水や逆流への応急対応と、再発を防ぐための調査・工事を分けて進めましょう。

2026年10月時点の公表資料をもとに、法人の発注担当者が確認する点を整理します。現場条件をそろえた費用の根拠は確認できていないため、金額の目安は示しません。

緊急対応と原因調査を分ける

汚水があふれる、天井から水が漏れるなどの状態なら、管理会社や設備の緊急連絡先へ連絡します。排水の使用を止める範囲は、被害箇所だけでなく、同じ排水経路(系統)につながる上階や別室も含めて確認してもらいます。

応急作業の依頼時には、応急対応の費用にどの作業まで含めるかを合意します。「通水を回復する作業」と「原因の調査報告」は別項目にすると、対応後に記録が残りやすくなります。

調査会社には、次の情報を渡します。

  • 発生した日時、場所、使用していた設備と排水の内容
  • ほかの階・部屋での同時発生の有無
  • 過去の清掃日、施工範囲、作業報告書、管内映像
  • 排水経路を示す系統図、改修履歴、店舗の入替えや設備増設の記録
  • 漏水箇所と被害範囲の写真

前回の報告が「清掃一式」だけなら、どの管をどこまで清掃したのかも聞き取ります。同じ症状でも、別の箇所で起きている可能性を残して調べることが大切です。

清掃か改修かは調査結果で判断する

マンションリフォーム推進協議会は、排水管の調査方法として、聞取り・目視・資料収集、管内カメラ調査、管を切り取る抜取調査を紹介しています。調査では、詰まり(閉塞)や、水を流すための傾きが不適切な状態(勾配不良)などを確認します。カメラで見える範囲だけで、配管全体の健全性を判断しないよう、調査の限界も報告してもらいましょう。排水管の劣化調査

次の表は、発注者が提案を比較するための整理です。現場ごとの適用可否は、調査・設計の担当者に判断してもらいます。

調査で検討する状態 比較する対策 追加で質問すること
付着物が主な問題と考えられる 清掃、排水の使い方の見直し 清掃後に通りと残存する付着物をどう確認するか
継手など限られた箇所に不具合がある 部分補修、部分交換 周囲の管にも同様の傷みがないか
腐食や破損が広範囲に疑われる 系統ごとの更新 調査した箇所と未調査箇所をどう区別するか
経路や勾配、排水量に問題が疑われる 配管計画の見直し 清掃や内面処理だけで原因を解消できるか

「古いから全面更新」「詰まりが取れたから問題なし」という結論ではなく、原因と対策の関係を説明してもらいます。判断が難しければ、調査を先に発注し、工事は報告書を見て決める方法もあります。

改修案は再発原因を解消できるかで比べる

更新は既存の管を交換する方法です。更生は、既存管の内面処理などで機能の回復を図る方法です。提案された場合は、使う工法が管の材質・傷み・継手に適しているか、施工できない箇所があるかを確認します。

更生・更新の一般的な違いと計画的な更新時期は、ビルの給排水管更新の記事で扱います。詰まりが繰り返す現場では、提案された処置が調査で見つかった原因をどう解消するか、報告書の箇所と対応づけてもらいます。

比較では、施工費だけでなく、次の項目を同じ表に並べます。

  • 天井や壁を開ける範囲と、内装の復旧範囲
  • 各設備につながる枝管、階をまたぐ立て管、床下を横方向に通る横引き管のうち、対象と対象外になる部分
  • 将来の清掃方法、再改修の条件、保証の対象と除外事項
  • 水を流して確認する通水試験や施工記録で、完了を判定する方法

耐用年数や保証年数は、工法名だけで決めつけず、提案書の条件を確認します。既存管を残す提案なら、残すことのリスクをどのように評価したかも聞きましょう。

排水を止める範囲と費用をそろえる

排水管の工事では、給水を止めなくても、トイレ・流し・厨房などを使えないことがあります。上階から排水が流れ込む系統もあるため、設備担当者だけでなく、テナントや清掃担当者への周知も必要です。

見積もり項目 含める範囲を確認する点
調査・設計 カメラ調査、抜取調査、報告書、施工計画
清掃・撤去・配管 管の長さ・太さ、材質、管をつなぐ部品(継手)、再利用する部分
建築・仮設 天井・壁・床の開口と復旧、周囲の保護(養生)、仮設トイレ等
夜間・休日対応 作業時間、立会い、建物の開閉や警備
試験・引渡し 通水確認、施工写真、完成図、廃棄物処理

天井・壁・床などの既存建材を切断・穿孔(穴あけ)・撤去する場合は、石綿(アスベスト)の事前調査の対象範囲、実施者の資格、結果を施工会社に確認します。必要な調査・対策の費用と日数も見積もり・工程に含めます。事前調査は原則として工事規模を問わず必要で、一定規模以上の工事で必要になる行政への調査結果の報告とは別です。厚生労働省の手続き案内

追加工事は、開口後に判明した状況を写真で示してもらい、金額と工程への影響を確認してから承認する段取りにします。緊急時に先行してよい作業と連絡先も決めておきます。

工事会社の選定と完了確認

建設業許可だけでなく、所在地の排水設備に関する指定や手続きも確認します。たとえば横浜市は、排水設備の新設等について、着手前に市の計画確認を受け、市の排水設備指定工事店が施工するよう案内しています。清掃や部分補修を含むすべての作業が同じ扱いになるとは限らないため、改修範囲を示して手続きの要否を確認します。これは横浜市の例です。自分の建物の工事に必要な手続きは、下水道担当窓口へ確認します。横浜市の計画確認の案内

依頼先には、稼働中のビルでの施工実績、テナント調整の体制、調査担当者と施工担当者の連携を聞きます。引渡し時には次を確認します。

  • 施工前後の記録を、同じ箇所で比較できますか。
  • 試験の方法と結果、使用を再開してよい時点を確認しましたか。
  • 隠れる配管の施工写真と、変更後の図面を受け取りましたか。
  • 未施工・未調査の部分と、今後の管理上の注意点が明記されていますか。
  • 再発したときの連絡先と、保証の範囲が書面にありますか。

関連する記事

計画的な給排水管更新、許可の確認、見積依頼書の作成は、次の記事で扱います。

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出典・参考

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