ヘルメットとベスト姿の担当者が、工程表のホワイトボードとカレンダーを指さしている。
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発注・費用

設備工事の工期の目安と、スケジュールの立て方|完成日から逆算する段取り

目次
  1. 工期を決めるときのルール
  2. 発注準備から完成までに見込む5つの期間
  3. スケジュールの立て方(逆算の手順)
  4. スケジュール表のひな形
  5. 工期が延びそうなときの対応
  6. 発注者のチェックリスト
  7. 関連する記事
  8. 工事を頼む会社を探す

設備工事のスケジュールは、現場作業に加え、機器の製作・関係者との調整・試運転の期間も見込んで立てます。 まず完成させたい日から逆算し、いつまでに何を決めるかを書き出しましょう。

発注準備から引渡しまでの全体日程は、見積もり・契約、機器の製作・納品、停電・断水の調整、現場作業、試運転・検査などを組み合わせて決めます。契約上の「工期」と、発注準備を含む全体日程は区別してください。見積もり・契約は通常、契約上の工期より前の段階です。製作と調整は、並行して進められる場合もあります。

工期の長さは、工事の内容・規模・機器の納期・現場の条件で大きく変わるため、この記事では「〇日」という一律の目安は示しません。国の「工期に関する基準」(中央建設業審議会、令和6年3月改定)をもとに、期間を見積もる手順とひな形をまとめます。各段階に必要な日数は、依頼先と確認してください。制度の説明は2026年10月時点です。

工期を決めるときのルール

著しく短い工期は、発注者も受注者も禁止

建設業法第19条の5は、注文者(発注者)も建設業者も、通常必要な期間に比べて著しく短い工期で契約を結んではならないと定めています。「工期に関する基準」は、その判断の参考とされる国の基準です。

時間外労働の上限が守れる工期にする

2024年4月から、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されています。工期に関する基準は、こうした上限を守れる工期を設定し、受注者が提示する工期の見積もりを発注者が確認・尊重する考え方を示しています。発注者は、休日や作業できない時間を工程表に反映してもらいましょう。規制の数値や例外は2024年問題と協力会社で扱います。

工程ごとの日数は、見積書で確認できる

建設業者は、見積書に工程ごとの作業と準備に必要な日数を書くよう努めることになっています(建設業法第20条第1項)。見積もりを頼むときに、工程表や作業日数の目安を出してもらうと、スケジュールが立てやすくなります。

工程表は、作業の順序・期間・担当をまとめた表です。施工図は、機器の配置や配線・配管など、実際の施工方法を示す図面を指します。

発注準備から完成までに見込む5つの期間

段階 中身 長くなりやすい要因
① 見積もり・契約 見積依頼、現地調査、見積書の提出、比較・社内決裁、契約 現地調査の日程、社内決裁の回数、予算の確保の時期
② 準備・製作 施工図・仕様の確定、機器・材料の発注と製作、届出 大型の機器(受変電設備、発電機、空調の熱源機器など)の製作期間、仕様の決定の遅れ
③ 調整 停電・断水の日程、テナントや利用者への周知、電力会社・ガス会社・電気主任技術者(施設の電気の保安を監督する人)との調整、ほかの工事との調整 停電・断水できる日が限られる、関係者が多い
④ 現場の作業 撤去、取り付け、配線・配管 作業できる時間帯の制約(夜間・休日のみなど)、天候、猛暑日
⑤ 試運転・検査・後片付け 試験、試運転と調整、発注者の検査、清掃と片付け、引渡し 受電の時期、総合的な試運転の調整

工期に関する基準では、前の工事が終わり、設備工事を始められる日の確認を求めています。受電後の総合試運転、大型機器の製作・搬入、ほかの工事との調整に必要な期間も考慮する事項です。また、内装などの仕上げ工事や設備工事は、前の工程の遅れのしわ寄せを受けやすいことが指摘されています。

機器の納期に注意

機器の納期遅れが見込まれる場合は、その根拠と工程への影響を契約前に共有します。契約後に遅れが生じた場合の工期・代金の変更方法も、契約で決めておきます。機器や資材の納期は時期によって変わるため、見積もりの段階で、主要な機器の納期を確認することが大切です。

スケジュールの立て方(逆算の手順)

暑さ指数(WBGT)は、気温だけでなく湿度や周囲からの熱も考慮した、熱中症予防のための指標です。

  1. 動かせない日を書き出す: 完成させたい日、停電・断水ができる日(長期休暇、休館日など)、繁忙期など作業できない期間。
  2. 依頼先に、工程表と主要機器の納期を出してもらう: 見積依頼書に「工程ごとの作業日数の目安」と「主要機器の納期」を書いてもらうよう依頼します。見積依頼書の書き方は「工事の見積依頼書の書き方」で解説しています。
  3. 社内の手続きの日数を足す: 社内決裁、予算の確保、テナントや利用者への周知にかかる日数。
  4. 予備日を入れる: 天候、猛暑日、機器の納期の遅れ、追加の調整に備えます。工期に関する基準でも、降雨・降雪、猛暑日(暑さ指数〈WBGT〉が31以上の場合の作業休止など)を考慮するよう挙げられています。
  5. 見積期間を確保する: 法定の見積期間と、現地調査・見積書の作成に必要な日数を確認し、契約予定日より前に確保します。予定価格別の最低期間は見積依頼書の書き方に整理しています。
  6. 完成日から逆に並べ、無理がないか依頼先と確認する: 依頼先から「この工期では難しい」と言われたら、工期を延ばすか、範囲を分けるか(段階的に工事する)を検討します。

スケジュール表のひな形

表計算ソフトに写して使ってください。「誰が」の欄には、実際の担当部署・担当者名も書きます。「前提・メモ」には、その作業を始めるために完了しておく作業や、仕様を決める期限を書きましょう。製作待ちと関係者調整など、並行できる作業を確認すると、必要な期間を二重に足さずに済みます。

段階 作業 誰が 開始 終了 前提・メモ
計画 工事の範囲・予算・完成日を決める 発注者 動かせない日を書き出す
見積もり 見積依頼・現地調査 発注者・工事会社 見積期間を確保
見積もり 見積書の提出 工事会社 依頼条件に沿った内訳・工程を提示
見積もり 見積書の比較・社内決裁 発注者 不明点を工事会社に確認
契約 契約書の取り交わし 発注者・工事会社
準備 施工図・仕様の確定 工事会社(発注者が承認) 決定が遅れると全体が遅れる
準備 機器・材料の発注・製作 工事会社 主要機器の納期
調整 停電・断水の日程の確定、関係者への周知 発注者・工事会社 電気主任技術者、テナント、利用者
施工 撤去・取り付け・配線/配管 工事会社 作業できる時間帯
完成 試験・試運転・調整 工事会社
完成 発注者の検査・手直し・引渡し 発注者・工事会社 書類(取扱説明書、試験成績書など)
予備 予備日 — 天候・納期の遅れ

工期が延びそうなときの対応

  • 原因を一緒に確認する: 工期に関する基準では、工程が遅れる事象を受注者から報告されたら、発注者は受注者と一緒に原因を明らかにすることが求められています。
  • 工期の変更を協議する: 受注者の責任でない理由(資材の納期遅れ、発注者側の決定の遅れなど)で遅れる場合は、工期の延長や、必要に応じて費用の変更を協議します。契約書に、工期の変更の決め方(建設業法第19条第1項の記載事項)を入れておくと、話し合いがしやすくなります。
  • 無理な短縮を求めない: 完成日を動かせないときは、作業を分ける、範囲を見直すなどの方法を相談します。突貫工事が必要な場合は、その費用の扱いも合意しておきます。

発注者のチェックリスト

  • 完成させたい日と、その理由(動かせるか、動かせないか)を整理した
  • 停電・断水ができる日と時間帯を、施設の運用側と確認した
  • 見積もりの段階で、工程表と主要機器の納期を出してもらった
  • 社内決裁・予算の確保にかかる日数を入れた
  • 仕様を決める期限を決め、社内の担当者を決めた
  • 試運転・検査・引渡しの期間を入れた
  • 予備日を入れた
  • 工期の変更の決め方を、契約書で確認した

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この記事は全体日程の組み立て方を扱いました。発注条件の整理、見積もりの比較、個別設備の停電対策は、次の記事をご覧ください。

工事を頼む会社を探す

依頼先の候補は、会社をさがすから、地域と業種(電気工事・管工事)を選んで確認できます。工程の相談や希望時期の施工に対応できるかは、各社へ直接たずねてください。

出典・参考

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