協力会社を募集する主な方法には、自社サイトの募集ページ、受発注マッチングサービス、業界団体・組合、取引先からの紹介があります。受発注マッチングサービスとは、工事を頼む会社と受ける会社をつなぐサービスです。どの方法でも、応募側が判断できるように募集条件を具体的に示します。協力会社が知りたいのは「どんな工事を、どの地域で、どんな条件で頼まれるのか」です。工事の内容・エリア・支払い条件・安全の取り組みを具体的に書き、応募から取引開始までの流れも示してください。
また、募集を待つだけでなく、協力会社として受注している会社に、元請けから直接声をかける方法も併用できます。
募集の出し方
| 出し方 | 良い点 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| ①自社サイトの募集ページ | 自社の条件を詳しく書ける。継続して掲載できる | サイトを見に来る人がいないと応募が来ない。検索で見つかるよう、工事の種類と地域をページに書く |
| ②受発注マッチングサービス | 協力会社として仕事を探している会社に届く | 登録・掲載の費用、応募者の情報の確かさはサービスによって違う |
| ③業界団体・組合 | 地域の会社に、まとめて知らせられる | 会報への掲載や紹介の可否は団体による |
| ④取引先からの紹介 | 評判のわかる会社が来る | 数は多くない。紹介元への配慮が要る |
自社サイトの募集ページは、ほかの方法で知った会社が「どんな元請けか」を確かめに来る場所にもなります。マッチングや紹介を使う場合でも、自社サイトに募集ページを置いておくと、取引条件を確認してもらいやすくなります。
「募集」の向きに注意: 当サイトのこの記事は、元請けが**事業者どうしの工事の発注先(協力会社)**を募集する場合を扱います。作業員を個人として集める「求人」や、相手の会社の作業員を自社の指揮命令の下で働かせる「人工(にんく)出し」の募集とは違います。建設業務への労働者派遣は禁止されているため(労働者派遣法第4条)、募集の文面は「工事を請け負っていただける会社」を募る内容にしてください。違いは「常用(人工出し)」と「請負」の違いで解説しています。
募集ページに書くこと
協力会社が応募を決める前に知りたいことを、順に並べます。
| 項目 | 書くこと | よくない例 |
|---|---|---|
| 募集する工事 | 業種と、具体的な工事(例: 工場の動力配線、テナントの照明・コンセント、空調の冷媒配管、給排水の更新) | 「電気工事全般」だけ |
| 地域 | 主な現場の地域、移動の範囲、宿泊を伴う現場の有無 | 「全国」だけ |
| 工事の規模・時期 | 1件あたりの規模の目安、年間の件数、繁忙期 | 書いていない |
| 求める条件 | 工事規模に応じた建設業許可、対象設備に応じた電気工事業の登録・通知(みなし登録・みなし通知を含む)、作業範囲に合う資格者、適用される社会保険の加入。インボイス登録(適格請求書発行事業者の登録)を求める場合は、取引条件として区別して記載 | 「経験者優遇」だけ |
| 支払い条件 | 締め日、支払日、支払い方法(現金振込など) | 「当社規定による」 |
| 安全の取り組み | 安全書類の様式、新しく入る人への教育、協議会の有無 | 書いていない |
| 元請けの体制 | 現場の段取り(資材・調整)は誰が行うか、窓口の担当 | 書いていない |
| 応募の流れ | 問い合わせ→面談→書類の提出→小さな工事から開始、の流れと期間 | 書いていない |
| 会社の情報 | 会社概要、建設業許可番号、主な実績 | 書いていない |
支払い条件は「当社規定」とせず、締め日・支払日・方法を明記し、法令上の期限に合うかを確認します。期限の考え方や取引条件の詳細は、協力会社への支払い条件をご覧ください。
募集ページのひな形
次の文例は、自社サイト用のひな形です。[ ] の中を自社の内容に書き換え、予定や運用が決まっていない項目は「面談時に相談」などと記載してください。応募者への連絡窓口も自社で用意します。
協力会社(電気工事)募集のご案内
株式会社[社名]では、[地域]の[工場・商業施設]の電気工事を、
一緒に施工していただける協力会社を募集しています。
■ お願いしたい工事
・[工場の動力設備の配線・盤の据え付け]
・[テナントの照明・コンセントの工事]
1件あたりの工期は[実際の目安]、年間[実際の予定件数]を予定しています。
■ 主な現場の地域
[実際の対応地域・移動範囲]
■ お願いしたい条件
・[工事規模に応じた建設業許可(電気工事業)の要件]
・[対象設備に応じた電気工事業の登録・通知等の手続き]
・[対象設備・作業範囲に必要な資格者を配置できること]
・法令上加入義務のある社会保険に加入していること(適用除外は確認)
■ お支払い
[締め日]締め、[支払日]に現金でお振り込みします。
法令上の支払期限を超えない条件で契約します。
■ 安全について
安全書類は[実際に使用する様式名]を使っています。現場に入る前に、
当社の担当者が新しく入る方への説明を行います。
■ 応募から取引開始まで
1. このページの問い合わせ先からご連絡ください
2. 担当者がお電話し、得意な工事や対応エリアを伺います(所要時間は[実際の目安])
3. 許可通知書の写しなどの書類をお送りいただきます
4. 工事の範囲・条件を協議し、合意した場合に契約を取り交わします
継続発注の有無は[実際の方針・協議方法]をご案内します
■ お問い合わせ
[担当部署・担当者名・電話番号・メールアドレス]
募集条件は実際に頼む工事に合わせて書き換えてください。社会保険は適用される制度が企業・作業員ごとに異なるため、加入義務のない保険まで一律に必須とせず、適切な保険への加入と適用除外を確認します。電気工事業の登録等や作業者の資格は、建設業許可とは別に確認します(2026年10月時点)。
管工事の場合も、給水装置工事なら工事場所の水道事業者の指定を確認するなど、工事に合った条件を記載します。
マッチングサービスの比べ方
マッチングサービスを使う場合は、費用(掲載・成約の料金)、登録している会社の地域と業種、許可の確認のしかた、応募者の情報の確かさ、退会のしやすさを比べます。確認点の詳細は建設の受発注マッチングサービスの選び方にまとめています。当サイトでは、特定のサービスの順位付けはしていません。
募集を待たずに、直接声をかける方法
募集ページは応募が来るまで時間がかかります。並行して、元請けから候補の会社に直接連絡する方法も検討してください。
- 地域の会社の一覧や、国土交通省の許可業者の検索で、工事の業種と地域が合う会社を洗い出す
- 公式サイトで、協力会社として仕事を受けているか(「協力会社として施工」「元請け様募集」などの記載)、施工事例を確かめる
- 募集ページのURLを添えて、電話・メール・問い合わせフォームで連絡する
- 今回の工事の受注可否と対応時期を直接確認する。掲載情報だけで、現在受注できると判断しない
公式サイトの問い合わせフォームに「営業のご連絡はお断り」とある場合は、フォームを使わず電話などで連絡します。連絡の文面は協力会社に初めて声をかけるときの文例を、探し方の全体像は電気工事の協力会社の探し方を参照してください。
関連する記事
この記事は募集方法と募集文の作成を扱います。探し方の全体像や応募後の評価・契約は、各記事をご覧ください。
- 管工事の協力会社の探し方: 管工事・設備工事の協力会社の探し方
- 応募してきた会社の選び方: 協力会社の選定基準と評価シート
- 取引を始めるときの書類: 協力会社と取引を始めるときの必要書類と手順
- 協力会社の不足への対策: 協力会社が見つからないときの対策
地域の会社に直接声をかける
募集と並行して、地域の会社の一覧から、工事の業種と地域が合う会社を探してみてください。公式サイトへのリンクから、施工事例や問い合わせ先を確かめられます。



