電気工事の協力会社とは、下請けとして工事を請け負う会社です。探す方法には、紹介・業界団体・許可業者の検索・地域の会社一覧・受発注マッチングサービス・募集の掲載・展示会の7つがあります。希望工期や工事内容に合わせ、複数の方法を組み合わせて候補を探します。
どの方法で見つけても、工事に応じた建設業許可・電気工事業法の登録や通知・作業者の資格・保険を確かめてください。登録や通知には、建設業許可を持つ会社の「みなし登録・みなし通知」も含まれます。
この記事では、7つの方法の向き不向きと、声をかける前のチェックリストをまとめます(2026年10月時点の制度にもとづきます)。
電気工事の協力会社が足りなくなる背景
協力会社の不足には、担い手の確保に加え、依頼する工事と各社の得意分野、希望工期と受注余力の不一致が関わります。既存の取引先だけで決まらない場合は、探す経路を組み合わせて候補を広げます。
担い手の統計は電気・設備工事の担い手不足を数字で見る、条件の見直しなどの打ち手は協力会社が見つからないときの対策で扱います。
電気工事の協力会社の探し方7つ
①紹介(取引先・既存の協力会社・資材の商社)
いま付き合いのある協力会社、取引先の元請け、電材の商社から紹介してもらう方法です。紹介元から、仕事ぶりや取引の経験を聞けるのが利点です。一方で、紹介元と同じ地域・同じ規模の会社に偏りやすく、紹介元との関係に気を使う場面もあります。
②業界団体
電気工事業の団体には、都道府県ごとの電気工事業工業組合や、電設業の協会などがあります。団体の公式サイトで、会員名簿の公開や紹介・相談窓口の有無を確認します。掲載や案内の範囲は団体ごとに異なります。
③国土交通省の許可業者の検索
国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」では、大臣許可・知事許可の建設業者を、許可業種(電気工事業など)や所在地で探せます。許可の有効期限もわかるので、候補を広く洗い出すのに向いています。ただし、載っているのは許可の情報で、得意な工事や協力会社として受注しているかどうかはわかりません。使い方は建設業許可の調べ方で解説しています。
④地域の会社の一覧(まとめサイト)
地域・業種ごとに会社を並べたサイトです。公式サイトへのリンクがあれば、施工事例や対応エリアをその場で確かめられます。閲覧条件や掲載項目を確かめ、候補の洗い出しに使います。
⑤受発注マッチングサービス
受発注マッチングサービスは、工事を頼みたい会社と受注したい会社をつなぐ仕組みです。元請けが案件を掲載し、協力会社が応募する形式などがあります。協力会社として仕事を探している会社に届くのが利点です。登録条件や利用料金はサービスごとに異なります。選ぶときの確認点は建設の受発注マッチングサービスの選び方にまとめています。
⑥協力会社募集の掲載(自社サイトなど)
自社のホームページに「協力会社募集」のページを作り、応募を待つ方法です。工事内容・エリア・取引条件を公開しておけば、関心を持った会社から連絡を受ける窓口になります。応募の有無は掲載内容や周知の方法によって変わります。書き方は協力会社を募集する方法を参照してください。
⑦展示会・商談会
業界の展示会や、自治体・金融機関が開く商談会で、直接話す方法です。顔を合わせて話せる一方、開催の時期が限られます。
方法ごとの向き不向き
| 方法 | 候補の範囲 | 得られる情報 | 利用時の注意 |
|---|---|---|---|
| ①紹介 | 紹介元の取引先など | 仕事ぶりや取引経験 | 紹介後も工事への対応や受注余力を確認します |
| ②業界団体 | 団体の会員 | 名簿や相談窓口の案内 | 名簿の公開・紹介対応の有無を確かめます |
| ③許可業者の検索 | 検索条件に合う許可業者 | 許可業種・有効期限など | 得意分野や受注の可否は直接確認します |
| ④地域の会社の一覧 | サイトの掲載企業 | 所在地・許可情報など | 掲載項目や情報の更新日を確かめます |
| ⑤マッチング | サービスの登録者 | 応募内容や会社情報 | 利用料金や連絡のルールを確認します |
| ⑥募集の掲載 | 募集を見て応募した会社 | 応募時の会社情報 | 応募を待つ時間を工程に見込みます |
| ⑦展示会・商談会 | 出展者・参加者 | 対面で聞ける対応工事や体制 | 開催日と参加対象を確認します |
進め方の一例は、③か④で候補を出し、公式サイトと許可を確かめて連絡する方法です。紹介者がいる場合は、紹介を通じて連絡することもできます。遠方の現場で地元の会社を探す場合は、移動・宿泊の費用や連絡の体制など別の論点があるので、遠方の現場で地元の協力会社を見つける方法を参照してください。
声をかける前に確認すること(チェックリスト)
電気工事では、建設業の許可と、電気工事業法の登録は別の制度です。建設業許可を持っていても、電気工事業を営むには電気工事業法の届出・通知(いわゆる「みなし登録」「みなし通知」)が必要で、作業する人には電気工事士などの資格が必要です。
| # | 確認すること | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 1 | 工事の金額・範囲に応じた建設業許可(電気工事業)の要否・一般/特定・有効期限 | 国交省の検索システム、許可通知書の写し |
| 2 | 電気工事業法の登録・通知(建設業許可がある会社は「みなし登録」「みなし通知」の届出) | 登録証・届出の控えの写し、営業所の標識 |
| 3 | 電気工事士(第一種・第二種)、認定電気工事従事者などの資格者の人数 | 免状の写し、会社案内 |
| 4 | 主任電気工事士(登録・みなし登録業者は、一般用電気工事を行う営業所ごとに置く) | 登録の内容 |
| 5 | 社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)の加入 | 施工体制台帳の記載、加入を示す書類 |
| 6 | 労災保険の上乗せ・賠償責任保険の加入 | 保険証券の写し |
| 7 | 対応エリア・対応できる工事(受電設備、機械用の電源、通信・信号設備など) | 公式サイト、聞き取り |
| 8 | 協力会社として受注しているか、繁忙期 | 聞き取り |
社会保険は、国土交通省の「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」に沿って確認します。元請けには、加入義務があるのに未加入の会社を下請けに選ばないことが求められています。適切な保険への加入を確認できない作業員も、特段の理由がない限り現場に入れない取扱いです。適用除外や、本人の働き方に応じた適切な保険も確認し、全員に同じ保険の加入を求める判断は避けます。
登録と許可の違いは電気工事業の「登録」と建設業の「許可」の違いで、資格の確かめ方は電気工事士の資格の確認方法で詳しく説明しています。より細かい評価の項目は協力会社の選定基準と評価シートを使ってください。
関連する記事
この記事では、探し方の全体像と、声をかける前の確認だけを扱いました。次のテーマは、それぞれの記事で詳しく扱っています。
- 初めて連絡するときの文面: 協力会社に初めて声をかけるときの文例
- 管工事・設備工事の協力会社の探し方: 管工事・設備工事の協力会社の探し方
- 取引を始めるときの書類: 協力会社と取引を始めるときの必要書類と手順
- 協力会社の不足への対策: 協力会社が見つからないときの対策
- マッチングサービスの選び方: 建設の受発注マッチングサービスの選び方
地域の電気工事会社を探す
候補の洗い出しには、地域ごとの会社の一覧が使えます。会社ページで許可情報を確認し、公式サイトなどから直接連絡してください。協力会社としての受注の可否、対応工事、希望工期に対応できるかは、各社に確かめます。



